内容説明
島と家族の記憶、創作への目覚め、新聞記者の仕事、そして「アン」。野心と青春が詰まったモンゴメリ流、「私の履歴書」。
目次
1 プリンス・エドワード島―母の死
2 「天国ってどこにあるの?」
3 学校生活と自然のなかで過ごした日々
4 私の「不思議の国」
5 少女時代
6 私にも書ける!―幼い作家
7 記者生活
8 『赤毛のアン』の誕生
9 新婚旅行―スコットランドへ
10 イングランド、そして帰国
著者等紹介
モンゴメリ,L.M.[モンゴメリ,L.M.]
1874‐1942。カナダ、プリンス・エドワード島生まれ。『赤毛のアン』のシリーズのほか、『エミリー』シリーズなどの小説、詩集、日記を残した
水谷利美[ミズタニトシミ]
学習院大学大学院人文科学研究科イギリス文学専攻博士課程満期退学。学習院大学・学習院女子大学非常勤講師。日本基督教団信濃町教会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aika
42
子どもたちの心を躍らせてきた名作『赤毛のアン』が生まれるまでの半生を、著者モンゴメリ自身が綴った作品。彼女が自分のことを語る以上に、アンを世に出した後、結婚してからの人生があまりにも波乱万丈であることを記した訳者のあとがきに強い衝撃を覚えました。精神的に不安定な牧師の夫を支えながら放蕩息子の世話に終われ、それでも快活に振る舞い続け、やがては自ら命を絶つに至ったモンゴメリ。彼女の手記は小説のように煌めく描写に満たされながらも、決して挫けたり、弱さを見せない鋼のような強さが文体から滲んでいるようでした。2021/11/18
布遊
28
赤毛のアンの作者(モンゴメリー)の自伝。赤毛のアンは、子供の頃からよく読んでおり、大好きな小説。赤毛のアン以外にも関連本は見つけたら読んでおり、この本もそのひとつ。モンゴメリーのことで知らなかったことと言えば、最後は自殺だったという衝撃の事実。夫のこと等、悩みも多かったようだ。因みに、プロフィール写真は、赤毛のアンのコスプレ~笑~「アンのこころを持ち続けよう」と書いてある。2019/08/16
くさてる
22
あのモンゴメリによる自叙伝……というほどの濃さではなく、自分が生まれ育った島の美しい自然や学校時代の思い出などを語ったものと、職業婦人となって働き始めたときの体験談などがつづられたもの。個人的には、駆け出し作家としてばりばり書いていた頃の話がとても面白かったので、そこをもっと読みたいな……と思ったのですが、訳者あとがきがとても充実していて、そのあたりの不満も解決されました。モンゴメリファンにはおすすめです。2019/07/13
山猫
21
「険しい道」の新訳。カナダの地図、そして英国の地図を広げて読むことをお勧めしたい。一番の難関は彼女のご先祖様たちの説明が入り組んでいて(欧米人はファーストネームのバリエーションが少ない上に、よくある同姓同名の親子がいるので非常にややこしい)、レポート用紙と数色のポストイットなしには理解不能であること。これさえクリアできれば、あとはたやすく読み進められる。篠崎書林の旧訳版と読み比べることにした。2019/08/10
むつこ
20
「赤毛のアン」の作者のエッセイというか日記というか、そんないろんなことが詰め込まれた作品。子供の頃から小説や詩を書いていたモンゴメリは、何度も何度も出版社に作品を送っては送り返された。子供の頃からアン同様感受性の強い女性で、特に結婚後の周囲にも隠すように家族を守っていた様子。何で最後までアンシリーズを読むことができなかったのか腑に落ちた。2023/05/07